四季折々の景観が美しい長野県蓼科・女神湖のほど近く、白樺と落葉松に囲まれたブルーベルコテージは英国の田舎のB&Bを思わせる、1日3組限定のペンションです。
「大人の別荘」をコンセプトに、日々の忙しさを忘れてゆったりくつろげる、居心地の良い場所。
建物に入ってすぐの玄関ロビーにクッキングストーブMC95がありました。
こだわりを生かした理想のペンションに
ブルーベルコテージの開業は2019年。
それまで都会暮らしをされていたオーナーが、将来は田舎でペンションを経営しようと物件巡りをされて、いくつかの候補地の中から選ばれたのがこの蓼科エリアでした。
過去にオーナーがイギリスに旅行した際に泊まったB&Bのような雰囲気のペンションにしたいと考え、ご自身が思い描く理想のペンションにするために内装や家具を揃えていきました。
中でも特にこだわったのは漆喰の壁。
100%自然素材で、かつ、ブルーベルコテージのコンセプトカラーが表現できる風合いにするために材料の手配から壁塗りまで数週間かけてDIYで作業されたそうです。
デザインと機能を両立する薪ストーブを求めて
共用空間である玄関ホールを暖めるための薪ストーブを選んだポイントは、「大空間を暖められる暖房能力」と「ブルーベルコテージのコンセプトに合うデザイン性」。
それまで扱ったことはないだけに長い時間をかけて製品選びをおこないました。
冬はマイナス15℃になるこの地域で使う薪ストーブにとって、暖房能力も大事な選定ポイント。
webサイトで薪ストーブの情報収集をしたり、販売店を巡って暖房出力の大きい薪ストーブを探しました。
その中で燃焼効率の良さとどんな樹種でも燃やせる特徴をもつモキ製作所の薪ストーブが目に止まり、試してみる価値があると考えたそうです。
暖房能力と同じくらい重要なのは空間に調和するデザイン。
ブルーベルコテージの家具や調度品選びの原点は一つのダイニングセット。
ダークブラウンで木製のダイニングセットは、オーナーが一番最初に購入されたもので、ブルーベルコテージのベースとなっています。
インテリアはこのダイニングセットに調和するものを徐々に揃えていきました。
黒い色味の製品が多い薪ストーブの中で、クッキングストーブMC95はブラウンを基調とした色合い。
このデザインがオーナーのインテリア選びの基準にマッチしました。
薪ストーブを設置してからの試行錯誤
オーナー曰く、実際に薪ストーブを使った感想は「期待通り」とのことですが、快適に使用いただくまでには試行錯誤がありました。
薪ストーブを使い始めた当初は挙動が不安定で思ったように暖まらなかったそうです。
原因はドラフト（温度差によって生じる気流）の強さ。薪ストーブ炉内の暖まった空気が煙突から抜けてしまうため、館内がうまく暖まらずただ薪を消費するような状態でした。
また、風向きによっては煙が逆流して館内が煙臭くなってしまうこともありました。
そこでダンパーを設置したところ、ドラフトを抑えることができたものの、煙が逆流する問題は依然として残ったまま。
その後もストーブ設置会社と相談し、煙突の長さを高くして風が煙突に入りづらくなるよう対策したところ、煙突のトップが風圧帯を抜けてようやく煙の逆流が解消されました。
このような改良の積み重ねによって、今ではしっかりと共用空間が暖まり、お客様からは「ここまで共用空間が暖かい宿泊施設はない」と言っていただけるまでになりました。
薪ストーブと共に成長する愉しみ
オーナーは薪ストーブや暖炉を使う中で、薪の種類や薪の入れ方・組み方、気温や天候によって燃え方や暖まり方が変わる様子を見て、一瞬一瞬の有り様がひとつとして同じであることはなく、すべての瞬間がユニーク（独特であり特異）だと思えるようになったそうです。
すべてがユニークだから自分の建物や設置場所、環境に合った施工を模索する、薪ストーブを育てていく姿勢が大事だといいます。
薪ストーブは家電製品とは異なり、様々な要素が影響する暖房器具です。使い始めは思い通りにいかないこともありますが、使う中で様々な発見があり、やがては自分だけの使い方を見つけることができるでしょう。
「最初から正解を求めずに模索してほしい。（薪ストーブを）育てていくと素晴らしいものができると思う」というオーナーの姿勢に薪ストーブメーカーである私たちも大いに共感を覚えました。
BLUEBELL COTTAGE
〒384-2309
長野県北佐久郡立科町芦田八ケ野410-17
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