今回は無煙炭化器を導入している日本工業大学へ取材で訪問した時の事を記事にします。
事前に少しお話を伺いましたが無煙炭化器で製造したバイオ炭を教授と生徒が研究テーマにして活動をしているそうです。
バイオ炭は当社としても非常に重要なキーワードなため、教授や学生からの視点で新しい知見が得られる事を個人的にも楽しみにしていました。
当日は無煙炭化器の実演をする予定だったのですが、残念ながら雨が降ってしまったため、中止となってしまいました。
しかし今回、訪問の窓口になって頂いた「応用化学科 伴教授」の計らいで生徒とのディスカッションの場を設けていただきました。
〇〇年ぶりに大学に入りましたが、広場を歩きながら友達と話したり、授業に急いだりした時の事を思い出しました。
カレッジマイスタープログラム
日本工業大学ではカレッジマイスタープラグラムというSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するための工学技術を実際に体験できる機会を提供しています。
ここではどの学科からでも参加できるモノづくりのプロジェクトを通じて、持続可能な社会の実現に貢献する工学技術を学べます。
そのプログラムの一環でバイオ炭をテーマにしている学生と卒業論文のテーマとして取り組みをしている3年と4年の学生4人が集まってくれました。
(自己紹介から始めましたが、絶対に私の方が緊張していたと断言できます。)
バイオ炭の多孔質構造でマイクロプラスチックを吸着
研究のテーマは、バイオ炭をフィルターとして活用することです。バイオ炭の多孔質な構造は、さまざまな物質を吸着する特性を持っており、実験によるとマイクロプラスチックも吸着できるようです。
マイクロプラスチックは畑にも混入しているため、バイオ炭を畑に撒くことは、土壌改良に加え、マイクロプラスチックを吸着させる事にも役立つということです。
バイオ炭には消臭や水を浄化する効果もあるため、その多機能性に驚かされました。
おにぎりが効果大!
伴教授は、バイオ炭を作るために当社の無煙炭化器M100を導入し、生徒たちと実験を行っています。
どの有機物から作られたバイオ炭がフィルターとしてより効果的であるかを試しているのですが、今のところ、おにぎりが高い効果を示しているようです。
(まだ研究中ですが、繊維質の多い物が良いかもしれないそうです)
廃棄物を宝に変えるバイオ炭プロジェクト
炭化させている食品は、参加している学生のバイト先から廃棄品として手に入れたり、実家が米農家をしている学生が古米の再利用を考えてお米の提供をしています。
どの学生も環境意識が高いのが印象的でした。
今後は、フィルターとして効果の高いバイオ炭や吸着できる物質の種類を探す研究を続けていくそうです。
学生たちの挑戦が拓くバイオ炭の新たな可能性
今回の日本工業大学訪問では、伴教授や学生たちとのディスカッションを通じて、バイオ炭の可能性を改めて実感する事ができました。
当社の無煙炭化器を使用した実験は、バイオ炭の新たな用途を開拓する貴重な実験だと感じました。
特に、フィルターとしての機能を活かしたマイクロプラスチックの吸着や土壌改良といった実用的な応用例には、非常に興味を惹かれました。
学生たちの環境への意識の高さも印象的で、廃棄物の再利用に対する熱意は、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなると思います。
おにぎりのような意外な素材から効果的なバイオ炭が生まれる可能性があるという発見も、工学技術の柔軟性と創造性を感じました。
今後も、バイオ炭の新しい応用方法や、吸着能力を最大限に活かす研究が進むことを期待しています。
今回の取材を通じて、当社の製品が研究の一端を担っていることに誇りを感じるとともに、この経験を糧に、当社も持続可能な未来に向けたさらなる挑戦を続けていきたいと思います。
(記事執筆:営業課 坂本)