この記事では長野県上伊那郡にある上伊那農業高校で当社の無煙炭化器をご利用いただいている様子を紹介します。
上伊那農業高校は「上農で、わたしと伊那谷をデザインする」をスローガンに、農業学習を通して生徒の生き方や地域のデザインに取り組んでいます。
取材にお邪魔した日は上伊那農業高校と長野県上伊那農業農村支援センター主催で「果樹せん定枝炭化実演会」が行われていました。
長野県は地球温暖化対策として「ゼロカーボン戦略」に取り組んでおり、その手段として炭化した果樹せん定枝を土壌に還元する取り組みを推奨しています。
今回の実演会は、このゼロカーボン戦略の取り組みの一環として開催されました。
無煙炭化器の実演
実演会の冒頭に当社スタッフによる無煙炭化器の実演を行いました。
集まっていただいたのは上伊那農業高校生物生産科果樹コースの生徒の皆さん。事前に用意していただいたブドウ、ナシ、モモの剪定枝を使って燃やし方や使用上の注意点を説明しました。
生徒さんの中には無煙炭化器を初めて目にする方もいて、熱心に説明を聞いていました。
炭を活用した農業の研究発表
無煙炭化器実演の他にも、生徒の皆さんが取り組まれた炭を活用した農業の研究発表がありました。
研究内容は無煙炭化器を使って果樹の剪定枝から炭をつくり、その炭を畑に撒いて野菜の生育状況の比較を行ったもの。
この研究は初めて行ったそうで事前の想定とは違う点もあったとのことですが、取り組んでわかったことは上級生から下級生にバトンが引き継がれて研究を継続されるそうです。
炭の農業への活用は今後さらに進んでいくと感じましたし、地球環境への配慮が随所にみられて聞いていて頼もしくなるような発表でした。
無煙炭化器は良い教材になっています
炭を活用した農業の研究を指導されている上伊那農業高校の田口先生に無煙炭化器についてお話を伺いました。
(田口先生)過去には剪定枝を産業廃棄物として専門処理業者に有料で委託処理をしていた時期もあり、多額の廃棄コストが悩みの種でした。
そんなときに新聞で無煙炭化器を目にしました。無煙で処分ができ、簡単なつくりだったので興味をもったのですが、本当に無煙でできるのか正直なところはじめは半信半疑でした。
その後、郡内で実施された講習会の新聞記事や農業農村支援センターの報告書、信州の果実の記事を読んで一度使ってみようと思い購入してみました。
実際に使ってみると、持ち運びしやすく炭焼き作業や片付けが簡単にできました。以前のように燃やすための穴を掘る作業がなくなったのは助かりましたね。煙も火力が安定してくるとほとんど発生しなくなるので、以前に比べて服に煙のにおいがつかなくなりました。
剪定枝を燃やしてつくった炭も研究の題材にしていきたいと考えています。炭にするだけでも二酸化炭素を固定できるので環境に対して良いことをしているのですが、昔から炭は土壌改良などで農業に活用されてきました。私たちは生産だけでなく研究もできる立場なので、せっかくできた炭を農業にどう活用できるか研究のテーマにして調べてみようと授業に取り入れています。
そこで研究1年目は剪定枝でつくった炭を畑に撒いて小松菜の生育状況を調べました。葉もの野菜の方が実験データがとりやすいと考えてのことですが、私たちは果樹コース所属なのでゆくゆくは炭を果樹栽培に活用するための研究を進めていきたいと考えています。
当校は農業そのものを学ぶのはもちろんですが、農業を通じて生徒自身が成長することも大事だと考えています。そういった意味では無煙炭化器は剪定枝の処分方法であったり、出来上がった炭の活用であったり、そうした活動を通じて環境に配慮した持続可能な農業など様々な課題解決のきっかけとなる良い教材だと感じています。
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無煙炭化器 M100
¥73,700(税込)