有限会社きたもっく様(以下、敬称略)は、浅間山の麓で四半世紀にわたり、自然と共生しながら地域資源を活用した観光宿泊サービスを展開する地域未来創造企業です。
ファミリー向けキャンプ場「北軽井沢スウィートグラス」では、家族再生の場としてのキャンプ体験を提供し、宿泊型ミーティング施設「TAKIVIVA(タキビバ)」では、組織のための場を提供しています。
きたもっくは、宿泊観光業、養蜂、自伐型林業、ツリーケア(アーボリ)、建築、薪生産、木材生産、地域特産品開発など、多岐にわたる事業を展開し、浅間山麓の資源を価値化しています。
特に、地場産のナラ薪を自社製造し、薪を使った料理や暖房を提案することで、地域資源を有効活用しています。
「The Future is in nature. 未来は自然の中にある」という合言葉のもと、持続可能な地域未来を築くモデル企業です。
今回は地域資源活用事業部マネージャーの鈴木さんにお話を伺いました。
キャンプ場運営から広がった地域資源活用事業
(モキ)こんにちは!今日はよろしくお願いします!
(鈴木さん)よろしくお願いします。
(モキ)さっそくですが、きたもっくさんの取り組みを教えてください。
(鈴木さん)きたもっくは主に「北軽井沢スウィートグラス」というキャンプ場を中心に運営してます。最近だとキャンプ場だけじゃなくて「TAKIVIVA」という企業向けの研修宿泊サービスだったり、地域資源活用事業「あさまのぶんぶん」を行っています。
(モキ)「あさまのぶんぶん」はユニークな名前ですね。どういった由来なのでしょうか。
(鈴木さん)正式名称は「地域資源活用事業部」なのですが、少しかたい印象なのでニックネームをつけることになりました。そこでチェーンソーの音だとか、養蜂のミツバチの羽音やトラックの音が『ぶんぶん』だよね、と。浅間山のまわりでなんかぶんぶんやっているな、という感じで地域の方に覚えていただきやすいかなと考えて命名しました。
(モキ)おもしろいですね(笑)キャンプ場も地域資源を活用する目的で始められたのでしょうか。
(鈴木さん)いえ、はじめは純粋にキャンプ場の運営だけでした。地域資源活用のきっかけはキャンプ場施設に薪ストーブを導入したことです。北軽井沢の冬はとても寒く、キャンプ場の運営ができずにいたのですが、通年営業できるようにと薪ストーブを使うことにしたのです。そこでまず薪ストーブ事業が始まりました。
(鈴木さん)たくさんの薪ストーブを使うと、燃料の薪も大量に必要になります。当初薪は購入していたのですが、供給が追いつかなくなってしまいました。そこで自ら山に入って木を切り、薪をつくったのが地域資源活用事業あさまのぶんぶんの始まりになります。
地域資源を活かして持続可能な活動を
(モキ)なるほど、薪をつくることからだんだん範囲が広がっていったのですね。その中で鈴木さんはどんなことに取り組まれているのでしょうか。
(鈴木さん)私は主に建築や薪ストーブの施工・販売を行っていますが、その他にも木材や蜂蜜などの営業も行っています。
(モキ)蜂蜜!?養蜂ですか?
(鈴木さん)はい。これもきっかけは薪づくりでした。10年前に自ら山に入って木を切って薪を作り始めましたが、他にも活用できる地域資源はなんだろうと考えたときに、たくさん花が咲いていましたのでその蜜を採って蜂蜜にしたらどうかということで養蜂事業が始まりました。無添加での生産なので大変手間はかかるのですが、非加熱で砂糖給餌もしていませんので蜜蜂が集めたそのままの花の密が味わえます。
年々採蜜量も増え、ミード(蜂蜜酒)やビールなどの加工品も生産しています。
(モキ)一から自分たちで始められたのがすごいですね。
(鈴木さん)そこが重要だと思っていまして、どの事業も基本的に外部の方にお願いすることはできますが、キャンプ場で使う薪が足りなくなってしまう経験から、自分たちの仕事を持続可能なものにするために自社で対応するようにしています。
薪製造工程の効率化で生まれた新商品「コロ薪」
(モキ)今後も事業を広げていこうとお考えなのでしょうか。
(鈴木さん)事業を増やすというよりはまだ使い切れていないものを活用することに挑戦しています。
例えば、山に置いてきている林地残材だとか細い原木、ボイラーを使うことで出る灰や薪をつくる過程で出るおが粉などを有効活用できないか社内で検討しています。
(鈴木さん)一部取り組み始めているものもあります。一昨年大型の薪の製造装置を導入しまして、これで薪づくりをしています。薪をつくる際に玉切りという原木を短く切る作業があるのですが、以前は玉切りをチェーンソーで行っていたので大変でしたし時間がかかっていました。新たに導入した装置はこの玉切りが一瞬でできるようになり作業時間が大幅に短縮されました。
また、これまでは効率が悪いため避けていた短い薪づくりも、この装置を使うことでできるようになりました。
(鈴木さん)これによって今まで活用できていなかった原木をつかって、今までなかった短い薪の「コロ薪」という新しい商品をつくりました。短いのでお子さんでも割りやすいですし、扱いやすいので楽しみながら使っていただいています。
使いやすさと薪ならではの魅力を兼ね備えたサウナストーブ
(モキ)キャンプ場では当社のサウナストーブをご利用いただいているのですよね。
(鈴木さん)はい、キャンプ場にあるコテージに併設されたバレルサウナで、宿泊されたお客様にお使いいただいています。バレルサウナの木材もすべて自社で原木から作っています。
(モキ)お客様の評判はいかがですか?
(鈴木さん)評判は良いと思います。すごく使いやすいですし、ハンドルが長いので熱くて触れないこともなく、ドアが開閉しやすい点もいいですね。
(鈴木さん)バレルサウナはスペースが限られているのでMS30は大きさがちょうど良いと思います。あとは温度上昇が早く、炎がよく見える窓によって圧倒的な熱量を感じられる点も気に入っています。薪の輻射熱による熱量は電気では出せない魅力ですね。
(モキ)たくさんお褒めの言葉をいただきありがとうございます(笑)逆にこうだったらいいなと感じたことはありますか?
(鈴木さん)強いて言えば大きな薪だとくべにくい点ですね。ただそこは「コロ薪」ができたことで縦にも横にも置きやすくなりストレスなく楽しめるようになりました。
地域資源の可能性を最大限に引き出す挑戦
(モキ)きたもっくさんとして今後取り組んでいきたいことはありますか?
(鈴木さん)使い切れていないものを最大限活用したり、取り組んでいる事業を有機的に結びつけた新しいサービスを展開していきたいと考えています。
例えば日々事業を営んでいる中で出るおが粉などの廃棄物はお金をかけて処分しているのですが、これに新しい価値をつけるような取り組みを進めていきたいです。
(鈴木さん)そういった意味で農業がテーマになってくるのではと思っています。農業にかかるものも輸入材が高騰している中で、地域資源を活用して堆肥をつくり、その堆肥を使って野菜づくりができるとおもしろいかなと考えていて現在検証している段階です。
(モキ)まだまだ地域資源活用の探求は続いていくのですね。今日はどうもありがとうございました!
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