茨城県H様
養液土耕のキュウリをハウス2棟(33aと27a)で促成栽培しています。
ハウス内の温度確保のため、冬場は重油を焚いて暖房しますが、 うちは11月下旬に定植して翌年6月まで収穫しますので、 定植後からすぐにA重油を使い始めます。
厳寒期は、重油を一晩で100ℓ(10aあたり)くらい使うことがあります。
重油の価格は、6年前頃は1ℓ約40円だったので特に気にしていませんでしたが、 だんだん値上がりして平成20年の春にはとうとう1ℓ100円にまで上がりました。
そこで、重油の使用量を少しでも減らそうと薪ストーブ(モキ製作所 50万円未満)を 各ハウスに1台ずつ、計2台購入し使い始めました。
原木シイタケの廃材や庭の剪定くずをもらえるので薪代はタダです。
おかげて重油代を4〜5割削減出来ました。
温度ムラと加温のタイムラグが解消
薪ストーブでの加温は、ストーブ近くは暖かくても離れると熱が届かないという欠点があります。
そこで、薪ストーブから出る暖かい空気をいかにハウス内に送るか考え、 既存のハウス暖房機のハウス内に均一に温風が行き渡るように 配置してあるダクトを利用するとこにしました。
薪ストーブをハウス暖房機の1.5m前方に設置し、 薪ストーブで暖まった空気をハウス暖房機の上部から吸気し、親ダクト、子ダクトを通して ハウス内に温風が均一に届くようにしたのです。
温風が周りに逃げないように、薪ストーブの周りには
パイプで枠組みをし、内張りカーテンが溶けないようにその上からトタンを貼り付けてあります。
温風が効率よく暖房機に吸い込まれるように、天井のトタンには勾配をつけてあります。
ボイラーは13.5度に設定した温度を下回らなければ動きませんが、 暖房機の送風機能は夕方から朝まで動かし続けています。
これでハウス内の温度ムラはなくなりました。暖房機はスイッチを入れてから ハウス内が暖まるまでに時間がかかりますが、薪ストーブを併用することでそのタイムラグも解消されました。
薪ストーブは、夕方、内張りカーテンを閉めてから着火します。
グラフを見てわかるように、薪ストーブなしの場合はハウス内がなかなか温まらないのに対し、薪ストーブありの場合はスムーズにハウス内の温度を上昇させるとこができます(斜線部)
薪の投入、煙突掃除が面倒ではあるが
薪ストーブを導入した上での苦労としては、燃料の薪の運搬がとても重労働で、毎日1回の薪投入から着火までの作業に手間がかかるということがあります。
また、薪から出る樹液(ヤニ)やススで煙突が詰まりやすいので、まめに掃除しなくてはなりません。
しかし、薪ストーブ導入のメリットは大きく、面積に対してストーブが小さいので、今後、台数を増やしていくことも検討しています。
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